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独断とへりくつblog

人を傷つけずにはいられない、自己中・自己愛性人格への対処

未来は捨てたもんじゃないと感じられる人

いつも文句と愚痴しかここでは書いてないが、この人を知って、困窮問題だけでなく、発達障害に対しても本当の意味ですごく未来を感じた

 

イエール大学助教授 成田悠輔氏

https://style.nikkei.com/article/DGXZQOLM065930W1A201C2000000/?page=3

 

米エール大学助教授の成田悠輔氏は、データやソフトウエアなどのデジタル技術を活用した社会制度・政策のデザインが専門。企業や自治体、NPOなどと連携して技術の社会実装も手がけるなど幅広い分野で活躍する。東京大学卒、米マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号(Ph.D)を取得、現在はエール大学で教鞭(きょうべん)をとると聞けば、エリート然とした人物を想像するが、いわゆるエスタブリッシュメントとは異なるまなざしを持つ。その背景には何があるのか。

アルコール依存症でギャンブル癖のひどい父のもとで育ち、自身はひどい睡眠障害と「世界に対する違和感」から私立麻布中・高時代はずっと不登校だった成田氏。高校生の時に父が失踪し、その後、母がくも膜下出血で倒れるという不運にも見舞われた。母の意識不明の状態は2、3カ月続き、かろうじて成り立っていた家計はついに破綻。弁護士や親族の助けを借りながら、母の自己破産手続きを進めざるを得なくなった。10代にして経験したこうした出来事が、成田氏のものの見方に大きな影響を与えたことは想像に難くない。
大受験きっかけに社会復帰

そんな同氏が、社会復帰するきっかけとなったのは東大入学だった。「ペーパーテストという不毛なゲームで勝ちさえすればどんな人格破綻者でもよしという日本の教育制度に、本当に感謝している」という。

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アメリカのように在学中の成績や課外活動、面接での人物評価などが問われるAO入試だったら、僕のような人間がトップ大学に入るのは無理でしょう。今、日本でもAO入試が広がっていますが、個人的な経験からいってもAO入試を全面化するのはやめたほうがいいと思います。『人間を総合的に判断する』というAO 入試では結局、自分が何者かを18歳時点でスラスラとプレゼンできる八方美人的な人しか残らなくなってしまう。そういう人は恵まれた環境で育った人が多く、多様性と正反対になってしまうことが多い。必ずしもペーパーテストである必要はありませんが、なんらかの客観的尺度を用いて、一定水準をクリアすればどんな人間でも受け入れるという仕組みは担保したほうがいい。そういう偏った尺度がいくつも乱立している状態が望ましいと思っています」

現在、公共政策の中でも特に教育制度の設計を専門とする成田氏だが、米国事情を深く知る立場からこんな指摘もする。

「日本ではほとんど認識されていませんが、アメリカのAO入試裏口入学と表裏一体なのです。『総合的に判断して』合否を決める入試と巨額の寄付金を受け入れる制度を併存させ、寄付してくれた人の子息を『総合的に判断して』合格させることでビジネスを回している。集めた寄付金で本当に有能な教員を雇ったり、困っている学生に奨学金を出したりしているわけで、要は大学の生態系を回すためのビジネスモデルなのです。そういった側面をしっかり認識し、よくよく考えてデザインしないと、表面的なまねだけではきれいな履歴書を抱きしめた中身の薄い学生を量産することになりかねません」


2011年に渡米し、教育政策の設計やその効果の予測や評価をテーマとする論文でPhDを取得。学術論文の発表と並行して、ニューヨーク市やシカゴ市、南アフリカの医療NGOなどと協力し、教育や医療の政策作りにも関わってきた。今後は日本の教育現場の制度づくりにも関わりたいと意欲を燃やす。取材中も「余談だが」としつつ、日本の教育について「3層構造にすべきだ」との持論を語った。

成田氏によれば、教育の果たすべき機能は大きく分けて2つある。1つ目は生活や家庭環境に困難を抱えている子どもをすくい上げる機能だ。経済的な困窮や複雑な家庭環境にある子どもたちは、知識や思考力をうんぬんする以前に、新しいことを身につけ前に進んでいくモチベーションを作り出すこと自体が難しい。

僕自身は小さい頃まさにそういう状況にあり、たまたま学校の外のコミュニティーを見つけたおかげで生き延びることができました。そういう子たちが前を向いて一歩踏み出せるようになるためには、科目を教える授業などとは別にもうすこし全体観を持った先生や地域の人や社会セクターの力が必要です」
日本の教育も3層構造に

もう一つの機能は、大学などの高等教育機関が果たすべきもので、将来の科学技術者や研究者、官僚や法律家、事業家を対象に、難しい問題に挑戦したり課題を解決したりする力を鍛える役目だ。

だが、この両極の機能の中間にある、コモディティー化した知識やスキルを教えることに関しては、既存の学校・大学よりも塾・予備校のほうがよほど効率的かつ高品質なサービスを提供するノウハウを持っている。そこで、「困難な状況下にある子供たちのケア」「少数精鋭のエリート養成」「その他大勢を対象にした効率的な知識・スキルの習得」という機能別に日本の教育の仕組みも3層構造に組み替えていくべきではないかという。

最近は、教育や医療、経済政策のデータ科学にとどまらず、政治や選挙・民主主義についても積極的な発言が目立つ。夜の時間帯はエール大学での研究・講義や学生の論文指導、新しい教員の採用などに従事し、昼間は自ら創業したスタートアップ、半熟仮想(東京・杉並)の代表として、企業や自治体との協業にエネルギーを注ぐ。怪しげな社名は、まだ熟しきっていないおぼろげな技術で新しい社会を想い描くという意味だそうだ。

一体いつ寝ているのか? 「それが自分でもよくわからない。気づくと打ち合わせを寝すごたりしています」

およそ常人には理解できない生活だが、本人は淡々とよく通る声で、こう締めくくった。

「日本でテレビでふざけたり、ひろゆきさんとわけのわからないユーチューブ番組を作ったりしつつ、アメリカのアスリート系研究者として論文を書いてソフトウエアを作ったり、ビジネスや政策への実装もやったりすることで、他の人に見えないことが見えるようになるといいなと思っています。目指すのは祝祭と科学の融合ですね」

(ライター 石臥薫子)