機能不全の関係とは、全く反対の位置にある、
人権・人格の尊重、対等・公平な関係・・それを主旨としているピア カウンセリング講座を受けてきました・・。
http://www.ashappy.net/psy/2-/post-72.html
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ピア・カウンセリングとは、
1970年代に、アメリカの「自立生活センター」の障害者たちが、自立を目指す後輩の障害者のために始めたカウンセリングです。『ピア』とは「対等」「仲間」という意味で同じ背景を持つ人同志が、対等な立場で、話を聞き合うこと『障害を持つ当事者こそが専門家』という考えから、障害を持つ人の自立のための相談には障害者自身があたります。
ピア・カウンセリングは、障害を持っている故に障害を持っていない者との間に様々な隔たりを感じてしまい『自信を取り戻せないままでいる自分に対する信頼を取り戻す』再評価のカウンセリングです。カウンセリング講座や様々なテーマに沿ったセッションなどを繰り返し、その体験の中で、今の自分をあるがままに受け入れて生きていくことの素晴らしさや、その意義を見つけてゆきます。
ピア・カウンセリングはとてもデリケートなものです。『自立をめざす障害者が自身の生き方を決定づける』といっても過言ではありません。当事者の悩みを聞き、共に考え、自分自身で問題の解決ができるように助言する。
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▼ちなみに、機能不全の関係とは、ピア カウンセリングと全く反対の意味を持つ関係にあたる)機能不全の関係とは、次のような暗黙のルールが支配しているといいます。
機能不全の関係には、誰かを心理的・又は身体に傷つける事があっても、そのままにしておく状態。話し合いをする事により、問題を解決することや、人権の尊重などがほとんど見られない状態です。
特に、1.話すな、2.感じるなと仕向けるのは多いかもしれません。
おかしいなと思って話しても、「気にし過ぎた」とか「仕方ない」など、話し合うことを何度もはぐらかす、または話し合う事を避ける事により、「1.話すな」つまり話し合いが出来ない関係に持って行きます。
嫌な感情や辛い感情を話しても、「気にし過ぎた」とか「仕方ない」など、その人の感じた思いを何度もはぐらかします。なので、辛い感情、嫌な感情をしている人は、嫌な感情を我慢して受ける事になり、自分の無力感を感じます。
1.話すな
問題について話し合うのはよくない。
2.感じるな
感情を素直に表わすのはよくない。
3.信頼するな
人を信じてもろくなことはない。
▼機能不全には、いくつかの兆候が見られる
・拒絶
・矛盾
・無共感
・境界線の欠如
・役割の置換
・社会からの孤立
・曖昧なメッセージ
・極端な論争・対立
▼機能不全の要因と、健全でない関係の8つの兆候
・条件付きの関係
・非尊重
・発言の抑圧
・感情の強制
・嘲笑
・一方的な考えのおしつけ
・内面の否定
・社会に対する機能不全、または社会からの孤立
ピア・カウンセリングなど、共感力を必要とする活動に自己愛人格の人はいない。
なぜなら、自己愛人格の人には、共感力が欠如しており、また、自己愛人格の人が傷ついた時に求める事というのは、更に自己を強くする事だからだ・・。
自己愛人格者は傷ついた時には、心の暖かみを求めるではなく、傷つけた相手への何かしらの攻撃、自分への表面的な同情、知識の詰め込み、仕事を頑張るなど、外面的な成功、表面的に賞賛されやすい事に没頭する。
さらなる外面的な知識のただの詰め込み、表面的な賞賛、表面的な同情、などを求め続ける事により、ますます他者への共感能力も持たない
→参考:自己愛心理学入門のページ
(5.傷ついた自我の治癒より)
ピア・カウンセリングなどでやっている本当の意味での「ありのままの自分を受け入れる」なんて、自己愛人格者はとうてい出来ない。
自己愛人格の人に、
自分自身の弱さ・自分が相手に与えてきた負の言動など、を認めることは並大抵では無いだろうと思う。
例えば、自己愛人格障害の人は
「自分が常に優位であるという自己中心的思考」が特性である為、自己愛人格の人は、滅多に人に謝らない。
謝ったとしても、表面的な言葉で言うだけで、心からの思いでは謝らない。
または、権威のある相手や、ここで謝らないと自分が損する時にだけ謝る。相手の感情や気持ちを考えてではなく、自分の損得で謝る相手を選んでる。
自己愛人格の人は、
「謝ったら負け」とか、「謝ったら、自分が悪い事をしたとなってしまう」と、「謝ることの意味」をそのようにしか結局受け止められないからだ。だから、「自分の得にもならない相手に」頭を下げるなんて、自己愛人格の人には許せないことなのだ。
共感力のある人なら、謝るというのを、「勝ち負け」や「物事の善悪」「自分の損・得」などで捉えない。どんな相手でも、相手の思いや気持ちを感じて謝る事に、「勝ち負け」や「物事の善悪」「自分の損・得」など関係ないからだ。
共感力のある人と、>自己愛人格傾向のある人では、何を大事にするかの根本的な部分が違う・・。
和田秀樹さんはこうした自己パーソナリティ障害を持つ人々に、従来のフロイト流の精神分析的治療は対応しにくくなっているという。
なぜなら、彼らに本当に必要なのは、みせかけの「自我の強さ」ではなく、むしろそうした自我の弱さを認め、他者と共存して生きていくことだからだ。
そうしたなかで、ほんとうに安定した強固で健全な社会的自我が築かれる。そして何よりも大切な他者への愛や、共感力が育ち始めるわけだ。